宮城岩手内陸地震
窓(H21.1.22)NO81
宮城県社協主催
「災害ボランティアシンポジューム参加報告」
」
2009年1月17日、宮城岩手内陸地震に対応した 栗原市
1 「支援した側」と「支援された側」
今回のシンポジュームで、被災地支援にかかわった社協関係者から「被災住民のニーズを掘り起こし~~をしてきた」「これからは仮設住宅に現在住んでいる人に~~という支援をしていく」「雪かき、雪下ろし、雪囲い・・・・の支援を立ち上げて・・・」という報告がなされた。報告する社協関係者の姿は、災害発生から今まで被災地に真剣に支援をしてきた誇りと、これからも支援を怠りなくしていこうとの熱意と意欲が溢れていた。
一方、支援される側は、「感謝以外の言葉」はなかなか発せられない立場である。しかし、言々句々の中に滲み出してくるのは、「これから生きていくために、今後支えてほしいことを一体誰が支えてくれるのだろう」という不安感であった。不安を言えば「被災した自分たちが自ら乗り越えなくてはならない」という言葉が聞こえてくる。だから不安や焦燥感を内に閉じ込め、耐えながら何とか「地域の人びとで知恵を出し合うしかない」と自らに言い聞かせている。そんな心情が感じられる支援される側であった。
二つの違った姿にどうしても違和感を覚えた。支援する側に被災者と同苦する姿がもっと見られれば、これほどの違和感はなかっただろう。
2 「避難所では衣食住100%の支援を受けた・・・が・・・」
「避難指示がいまだに解除にならなくても私たちは山に入らなくては生業が成り立たない」「家は壊れても畑は大丈夫なのです」被災者である発表者は、声を荒げるわけでもなく、真情を吐露するように話した。
「陸路で家に行き来できるようになったが、通行許可書がなければ自分の家に帰ることもままならない」「住民は一時帰宅のとき自宅の片付けだけでなく、畑に大根を蒔いて来る人もいる」と被災地の人々の困難さとそれに立ち向かう人びとの営為を語り、「行政の復興計画に住民たちが作る復興計画を盛り込んで欲しい」と復興という目標に向かう被災地住民の姿を報告した。
そして、「避難所では衣食住100%の支援を受けたが、行政もボランティアも生業支援はしない方針であるため、イチゴの植え付けまでは頼めない。農業は時期がはずれれば作物が生産できないんです。本当に助けて欲しいのはこれから生きていくための支援なんです」と途方に暮れた姿も垣間見せる発表者であった。
3 災害ボランティアセンターをなぜ立ち上げなかったか・・・
災害ボランティアセンター設置を見送った理由は以下の通りである。
① 山間地息の被害はあるが比較的家屋の崩壊が少ない。
② 土砂の崩落道路の決壊などがあり、人的支援が困難である。
③ 地域のコミュニティがしっかり形成されていて、自分たちの地域のことは自分たちでやるという気風が強かった。 Etc.
宮城県社協の北川氏等が、行政や当該社協と種々折衝した結果であった。「設置せず」の結論については、全国的には様々な意見があった。今後検証が十分なされるべきであろう。シンポジュームのコーディネーターを務めた桑原氏は、この点について直接意見を述べてはいない。しかし、「社協としてできることとできないことがあるが、できないことを乗り越える方途は無いのか、それに挑戦するのが社協職員ではないのか」と疑問を提示した。そして、「社協職員は命令で動くのではなく、志で動くべきだ」と付け加えた。
多様な災害ボランティアを経験し、組織してきた経験からか、その言は聞いている聴衆を一瞬、粛とさせ、その後大きな拍手が沸いた。
桑原氏は「多くの人たちが、ボランティアをどう受け入れるかという『受援』を学ぶことではないか」と、そして今まで全国で展開してきた災害ボランティア活動で培われた知恵の集積を信頼し、活用されることを期待していた。
4 足湯で・・・
被災者のニーズに応えるといっても、明確にボランティアセンターに伝えることができるニーズと何気ない呟きとして漏らされるニーズがあると桑原氏はいう。「足湯で利用者の呟きを聞くのです。その呟きの中から不安や不満を察知し、その呟きを社会化することが必要だ」と対応する社協職員に注文を出した。
今回のシンポジュームでもっとも肝心なことは「災害ボランティアセンターを運営する社協職員の心の姿勢」に警鐘を鳴らした点であった。「現状はそうだが、何とか解決の糸口は無いか」「知恵を借りよう」「既存のネットワークで解決できないなら、ネットワークを広げてみよう」との諦めない姿勢が強調されたことである。「行政組織がそう決めたから」「できることとできないことがあるのだから」「被災者主体だから」等など、社協職員として逃げ込むことができる理屈は」いっぱいある。桑原氏の言う「志」と自分がどう向き合うかが問われたように思う。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント