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窮 地

窓(H19.8.7NO32

「窮 地」

人間が窮地に立ったときどう行動するか。どう行動しても巷の非難中傷が続く。そんな時は打つ手がますます窮地を呼ぶのではないかと臆病になる。そうなれば打つ手が守りに入り、それは雪だるまが坂を転げ大きな雪だるまになるように非難中傷が大きく自分を取り囲むようになる。

  今、藤沢周平の小説を読んでいる。中堅どころの紙問屋が主人公である。自らの親切心が自滅への道に繋がる気配の中、同時に大店の紙問屋から難題を持ちかけられる。商売の危機と自分の老いと欲望が真綿で自らの首を少しずつ少しずつ締め付けていく。さて、まだ上巻を読んだばかりである。主人公は果たしてこの窮地をどう乗り越えていくのか、はたまたこの窮地によって自らの破滅の道へ進んでいくのか。下巻を読み始めたところである。

 さて、安部総理大臣は今回の参議院選挙大敗をどう乗り越えるのか、はたまた巷の声に押されて退陣するのか。大変興味深く、日々のニュースから目が離せない。かつて社会党委員長の村山富一郎氏を首相に担ぎ上げ、難局を乗り越えた自民党。そのようなトリッキーな手立てが出ないものだろうか。朝青龍はどう乗り越えるのか。窮地に立った人間のそのときに真価が問われるのだろう。私の目の前の事例をじっくり見て、学びたい。

 藤沢周平の小説の下巻を読み終えた。主人公である紙問屋は、自ら一代で築いたものすべてを捨てて、心許せる人妻と連れ立って江戸を去る結果となった。小説の書評ではハッピーエンドに終わったとあったが、窮地に立った人間の悲しい結末であることには間違いない。本当の意味で窮地を抜け出すことはそう容易ではない。

 

 

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